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ユーリ・N・ハラオウンの笑顔 9話-急転-

気がつくと数年前に母さんが売り払った実家のリビングにいた

この家はユーリが無限書庫から出れなくなり、母さんと僕は仕事で忙しくほとんど帰って来ないので、僕が執務官合格した1年後に売ってしまったのを覚えている


そしてそんな懐かしいリビングにある少し大きめのソファーに金髪の女の子と黒髪の男の子が一緒に座り本を読んでいた

黒髪の少年は、『ベルカ騎士に対する有効な戦闘手段』という本を読んでいる。
そして横には魔法関連、執務官関連の本が山積みされている
まったくもって可愛げのない子供だ、年相応の本を読めばいいと思う。数年後には頭の固い仕事人になっている事だろう


金髪の女の子は、表紙を見る限り王子様が悪い魔女からお姫様を救うというおとぎ話を見ている。なぜわかるかというと、我が愚妹が母から最初に買って貰ったプレゼントで今でも暇な時に良く読んでいるからだ
そして横には色々なかわいらしいおとぎ話の本が山積みされている
なかなか年相応の子供だ、おそらく数年後には言葉は丁寧だが腹黒く、無限書庫でニート生活をしているだろう

懐かしいな……そんなことを思いながら彼らを見ていると、女の子がふと何かを思いついたように男の子に話しかけた


「お兄ちゃん、お兄ちゃん」
すると、男の子はすぐに本から顔をあげ、自らの妹をみた
「なんだ?ユーリ」
彼女はすこし考えた後彼に質問をした
「わたしも、誰かからさらわれた時王子様が来てくれるでしょうか?」

おそらくは、今見ていたおとぎ話に感化されたのだろう
この頃はこんな可愛いところもあったんだな…と僕が懐かしく思っていると、男の子が少し悩んだ後彼女からの答えを口にした


「来ないな」
………まったく持って可愛げのないガキである
妹の夢をぶち壊しにしやがった。ほら見ろ妹の瞳が潤んできたぞ。涙腺崩壊数秒前だ


「だけどな」
そんな妹の様子に慌てて男の子は続きを口にした
「王子様じゃなくても、僕や母さんが助けに来てくれるさ」
………なんて恥ずかしいことを言っているのだろうこのガキは
ここにエイミィがいたらおそらく一生ネタにされていただろう


「……本当ですか?」
兄の言葉に驚いたのだろう、女の子は驚きながら彼に問いかけた
「本当だ、だから……」
そんな問いにすこし頬を少し染めながら男の子は返事をした
「安心しろユーリ、君がさらわれたら僕や母さん、エイミィ達皆が君を助けに行くよ」

そんな男の子の言葉を聞いた女の子は嬉しそうに「約束ですよ」と言った



…………まったくませたガキだ



☆★☆★☆★☆★☆★



「ノ……ん……ろ…ロノ…ん……起きろクロノくーん!!」
「ん?……」
昔から聞きなれたうるさい声が聞こえ、目を開けるとそこには古なじみの頬を膨らませた顔があった
「全く……クロノ君が居眠りなんて珍しいね」
古なじみ………エイミィ・リミエッタが苦笑しながら膨らませた頬を戻し苦笑している

見渡すとそこはアースラ内の食堂だった
そして自らが突っ伏していた机を見るとそこには皿に乗っかった食べかけのサンドイッチがある

そこから推測すると
「僕は……寝ていたのか?」
ぼくがそう呟くとエイミィは笑いながら返事をした
「うん、机に突っ伏して寝てたから驚いたよ~。」
「そうか…」
僕もそう返事をして机に突っ伏していた体をあげた
どうやら書類の整理に根を詰めすぎたらしい。まったく執務官が居眠りとは……我ながら情けない

「よっこいしょっと」
エイミィは年寄りくさい一言と共に僕の隣に座った
周りを見渡す限り食堂には僕達しかいないらしい

僕が食堂を見回しているとエイミィは口を開き
「ねぇ、どんな夢を見ていたのクロノ君?」
と質問をしてきた

僕はそんな質問に少し苦笑をしながら返事をした
「まだユーリが家にいたころの夢だったよ」


そう僕は言いながら先ほどの夢を思い出した
あれは多分1回目の執務官試験を受けようと勉強していた頃だろう
まだユーリが無限書庫に引きこもってなく家があったからそのはずだ

思えば、あれから色々あったものだ
僕の執務官合格
ユーリのレアスキル悪化、無限書庫住み込み
あの頃の僕には色々と考えつかないような事が起こったものだ

「なつかしいねぇ。あの頃はよくユーリちゃんとクロノ君と休日に一緒に遊んだものだよ」
「一緒に遊んだじゃなくて、ユーリと二人で僕にいたずらしたの間違いじゃないかい?」
「それも遊びのひとつだよ」
そう飄々と返事を返したエイミィに「まったく……」と言いながら僕は少し溜息をついた

あの頃は今みたいに余り忙しくなく、ユーリも無限書庫にこもっていなかった
だからよく休日僕の家に遊びに来ていたエイミィとユーリが出会うのは必然で、彼女の明るい性格は引っ込み思案だったユーリと仲良くなるのも必然だったかもしれない
まぁ仲良くなりすぎて、二人一緒になって僕を弄りだすのはやめてほしかったが



「ユーリちゃんに久しぶりに会いたいなぁ……」
そんなエイミィのつぶやきが聞こえた

「もうそんなに合ってないのか?」
僕がそう質問するとエイミィは
「メールのやり取りはしてるけど、最後に顔を合わせてからもう2年ぐらいなるかぁ……」
そう遠い目をしながら答えた

ユーリのレアスキルは年々強くなっている
かなり昔は魔力があればユーリのレアスキルはほとんど効かないので大丈夫だったが、今は魔力ランクがAランク以上なければ大変な事になってしまう
だからユーリのレアスキルがそんな状態になってしまってからユーリとエイミィは顔を合わせていない

おそらくはユーリのレアスキルがどうにかならない限り、一生ユーリとエイミィが顔を合わせる事はないだろう


そう考えるとどうにかならないのかと思うが、ユーリのレアスキルについては現在の技術ではどうにもならないのはすでに今までの治療や研究で証明されている

だがもしリスクはあるがなんでも願いをかなえてくれる物があるのならもしかしたら僕はユーリのレアスキルを消してくれと願ってしまうかもしれない……








そう僕は考えを巡らせていると
いきなりエイミィは僕の食べかけていたサンドイッチに手を伸ばし
「……も~らいっ」
少し冷めたサンドイッチを食べ始めた
僕の食べかけのサンドイッチを


「エ、エイミィ!!」
「ふぁに?」
慌ててエイミィを叱咤するがエイミィは飄々としながら、もきゅもきゅとサンドイッチを食べる


「そ、それは僕の食べかけ……」
そこまで、言って僕は自分の発言ミスに気がついた

だがすでにもう遅く、エイミィはニタニタと嫌な笑みを浮かべている。
エイミィはもきゅもきゅごくんとサンドイッチを食べ終え嫌な笑みを浮かべながら口を開き

「え、なに?私がクロノ君の食べかけを食べたのに何か問題でもあるの?え?もしかして間接キス?やぁークロノ君は初々しいなぁ~全く。それにしても私の事意識してくれたんだ~うれしいなぁ~」

ペラペラと僕を弄るための言葉があふれだした

おそらくはエイミィは話を変えるためにこんなことをしたのだろう
そんなエイミィの気遣いはとてもありがたかった


だが………お礼を言うよりも先に、まだペラペラとこのよくしゃべる同僚をどうやって黙らせるか考えるとしよう
そんな事を思いながらふと、先ほどの夢のの事をなんとなく思い出した






あの、約束を守るような日がくるのだろうか



・クロノ・ハラオウン及びエイミィ・リミエッタ
  現在状況……次元世界渡航中



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


死ぬかもしれないな
私が森の中で目を覚ました時最初に思った事がこれだった



私は家族、そしてユーリに別れを告げ、護衛件輸送の手伝いとしてユーノ・スクライアの所に行った
そこで私はスクライアの一族と手伝いながら『宝石の種』別名『ジュエルシード』を発掘する事が出来た

最初は発掘した事に大喜びだったのだが、『ジュエルシード』は予想以上の能力を秘めていた
そこで私達はすぐに管理局に届けることにした
危ない物はさっさとそれ専門の機関に預けるのが一番なのは明白だ


だがそれが私達の間違いだったかもしれない
私達は管理局に連絡をして回収をしに来てもらえばよかったのだ
もしそうしたのなら










『ジュエルシード』を運んでいた私達の船が襲撃される事もなかったのであろう
そして私はジュエルシードと一緒に船から振り落とされ、今生命の危機に瀕する事もなかっただろう


私は痛む体を押しながら周りに目をむけた
そこは動物の声一つしない森が広がってるが、向こうの方に光が見えた
もしかしたらそこに行けば人がいるのかもしれない

だが、体を確認すると、右手が変な方向に曲がっていて、左足は裂傷がひどい、そして腹には大きな傷が出来ており中の機械が見え隠れしている
歩けるような体ではない事が明白だ

そして左手には数字が書かれた宝石が一つ
いきなりの襲撃だったとはいえ、宝石一つしか護れずにこのざまである


昔の私が見たらこう言うだろう
「ふぬけたな」
確かに私はふぬけたのだろう、弱くなったであろう。
あの頃……ドクターや姉達と暗躍し破壊活動を行っていた頃に比べて私は確かに弱くなった

弱くなったのは私は姉の死を見て、戦いというものが恐くなったのかもしれない
あの時、あの昔の研究所で、あの男が、ウーノお姉さまを……

ああ、だめだ頭が昔の事ばかり考える
もしかしたらこれが走馬灯という奴なのかもしれない



おそらくこのまま目をつぶって寝てしまえば楽なのだろう
この痛みからも逃れられるのだろう










だが、眠れない!!
これではナカジマ家の長女として姉妹たちに顔向けできない!!
これでは姉達に顔向けできない!!

そしてここで寝てしまったら、彼女との……ユーリとの約束はどうなる?
まさか友との約束を破るのか?


「そんな…馬鹿な事を…するわけ……がないだろ、チンク・ナカジマ」

私は自分の体に鞭を入れ私は起き上った

痛い、体中が悲鳴を上げているようだ

「家族が…友が私…の帰りをまって……いるのだ」

だが、死ぬわけにはいかない、目指すはあの光

「こんな…所で……死ぬわけに…は…」




いかない………






ドサッ




・チンク・ナカジマ
現在状況……重傷

☆★☆★☆★☆★☆


「はぁ……」
私は溜息をつきながらベットに腰掛けながら周りを見渡すと、そこは高価なホテルの一室の要な部屋が広がっており、私が腰かけているベットを見るとそこにはスヤスヤと眠ってるウェンディがいます

普通、こんな高級ホテルのような部屋に泊まれると聞いたら誰もが、うれしいと思うでしょう
ですが私の気持ちは違います
そして、そんな気持ちを吐露しようにも、そばには、いつも一緒にいて相談に乗ってくれるビブリオテークの姿は有りません





まぁ、なにが言いたいのかというと



「ここ、どこですか?」



・ユーリ・N・ハラオウン及びウェンディ・ナカジマ 
現在状況……誘拐
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非公開コメント

No title

待ってましたよ~(^^)/

No title

久々の更新きたー!!……とおもったら
急展開すぎるwww

3人がこれからどうなるのか気になりますね

No title

クロノの夢は虫の知らせか何かだろうか?
チンクが倒れた場所は海鳴?
ユーリとウェンディに何があった?
様々な疑問を残しながらの引き。次回も楽しみです。
更新お疲れ様でした!

Re: No title

> 待ってましたよ~(^^)/

誠におまたせしました

Re: No title

> 久々の更新きたー!!……とおもったら
> 急展開すぎるwww
>
> 3人がこれからどうなるのか気になりますね


お待たせしましたやっと更新です

Re: No title

> クロノの夢は虫の知らせか何かだろうか?
> チンクが倒れた場所は海鳴?
> ユーリとウェンディに何があった?
> 様々な疑問を残しながらの引き。次回も楽しみです。
> 更新お疲れ様でした!


更新お待たせしました
一応クロノの回想は虫の知らせを意識しているつもりです
そして主にこの4人を中心として話を回していくつもりです!
プロフィール

アクアグラッセ    

Author:アクアグラッセ    
アクアグラッセです
のんびり2次創作を書いていこうと
思っています

後リンクについてはフリーです
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