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ユーリ・N・ハラオウンの笑顔 10話-再開-




「ユーリン!!ユーリン!!ママリンが読んでるのですぐに来て欲しいっス!!」

私がちょうどその日の翻訳作業のノルマを終わらせ残りは翻訳した本の片づけだけだと思った時でした。
とても元気なウェンディの声が聞こえたのは。

無限書庫の入口の方に目を向けるとそこにはやはり元気いっぱいに手を振っているウェンディの姿がありました。

ママリンって事はクイントさんの事でしょう
そう思いすぐに会いに行こうと思ったのですが


私の周りには本の山
片付けるのにはかなりの時間がかかります……

「ビブリオテーク、あの……」
《だめです。まだお仕事です》

私は目の前に飛んでいるビブリオテークにお願いをしようと口を開いた瞬間、いきなり拒否の言葉が飛んできました

私は冷や汗を流しながらもう一度ビブリオテークに申し立てします

「あの……私はまだなにも……」
《どうせ片づけを後回しにしてもいいか?とか仰るつもりなのでしょう?》
「うっ…一回ぐらいいいじゃないですk」
《一回目だったら多めにみましたよ?一回目なら……さてこれは何回目なのでしょうか?》
「い…一回目…」
《残念はずれです。そんな事を私に言って片づけをほっぽり出して部屋に帰ったのは14回ですね。つまり今回は15回目になります》
「うえ……回数まで覚えなくても…」
《こんなにほっぽり出されては回数も数えたくなります。それに私か誰か局員がいないと本局を歩きまわったらダメだと何度も言われたではないですか》
「……すいません」
《全く……改めて言いますが、お嬢様は今お仕事中です。仕事というものは途中で投げ出してはいけません》
「うぐっ……」
《そしてお嬢様……片づけ終わるまでがお仕事ですよ?》
「ううぅ……」

そう私はビブリオテークに論破されてしまいうずくまります

さすがビブリオテーク………長年の相棒です…
私の考えている事は丸わかりですか……
それに片づけをビブリオテークにまかせてもいいじゃないですか、翻訳はまだしも片づけは圧倒的に私よりビブリオテークがはやいのですから


この無限書庫はバカみたいに本棚の背が高いです
それはもう飛行魔法を普通に使わなければならないほどに
なので、いちいち私が魔法を使って直すよりもビブリオテークが、ぽぽ~いと飛び回りながら直した方が早いのです

昔は無限書庫内を無重力にする機能があったらしく飛行魔法など使わなくてもよかったのですが、もう私以外司書がいなくなったのに使う意味なくね?という誰かの一言から無重力ではなくなったらしいです
全く余計な事を言ってくれたものです…


そんな余計な事を考えながら私の周りに目を向けるとそこにはやはり本の山
ウェンディの方に目を向けると、まだかまだかと催促するように手を振ってます。

どうしましょうか…
なぜ地上本部クイントさんが本局にいるのかはわかりませんが、わざわざウェンディを通じて急いで私を呼びに来るという事はなにかあったのでしょう
なのですぐに行きたいのですが、目の前には本の山

そんな事を考えながら、私は現在状況に頭を抱えていると

《はぁ……》
ビブリオテークからため息が聞こえました

顔を上げるとビブリオテークが《まったく、お嬢様は……しょうがない人だ…》とでも言いたいようにフワフワと浮かんでます
なんですかビブリオテーク?
その私に呆れた感じは?

そうプンスカしながらビブリオテークをジト目で見ていると

《今回で最後ですよ?》
その言葉と共にビブリオテークの周りに私の周りにあった翻訳し終わった本が浮かび上がり、そのまま元あった近くの本棚に本達が吸い込まれ片づけられていきます

ってことは…
私はすぐにジト目を止め目を輝かせながらビブリオテークを見ます

するとビブリオテークは黙々と本を整理整頓しながら言いますた
《翻訳し終わった本は私が責任持って整理しておくので、お嬢様は行ってきていいですよ。》

「で、でも局員かビブリオテークがいないと……」

《行く先にはクイント女史がいるのでしょう?なら大丈夫です。スカリエッティ殿制作したフードを忘れないくださいね》

「あ、ありがとうございますビブリオテーク!!」

《まったく今回だけですからね》
ビブリオテークから少し照れたような声が聞こえます
本当にありがたいですビブリオテーク



ん?
そういえば、こうやって叱った後、甘やかしてくれる事を指す呼び方がありましたね

う~んたしかエイミィが兄さんに言ってたような…

つ…つ…ツン……あ

「なるほどこれが……ツンデレってやつですか」
《そんなくだらない事を言っている暇があったらさっさと行きなさい!!》
「ひゃい!!」

私はとりあえずウェンディの方に走りだしました

今度ビブリオテークになにかお礼をしないといけませんね
私はそんな事を走りながら考えました



☆★☆★☆☆★☆☆★☆




「それで、そっからの記憶がないのはどうしてでしょうか…」
私は溜息と共に、私たちなんでここにいるのかを思い出す作業を諦めました
私はふと部屋を見渡しました


視界から解かる現在状況は
横にはウェンディが寝ており、正面にあるおそらく出口であろうドアは閉まっている
そして窓はカーテンが閉まっており日光は入らず光はベットの横にあるスタンドのみ

そして記憶の方は
ビブリオテークと別れ本局内をウェンディと共に歩いたのは覚えていますが
私たちが何故ここにいるか?という一番重要な理由がわかりません

もしここがなんか18禁道具とかがそこらへんに転がっている部屋なら「ああ、いつもの事か」で終わりますけど

ここは周りを見る限りホテルのような部屋。いたってノーマルな部屋です。
私が今まで見てきたなんか変な形の棒やボール、怪しげな薬、何故かある木馬がそこらへんにおいていて、いかにも監禁するための部屋のような薄暗いアブノーマルな部屋ではありません

一応私の純情は起きてすぐに確認しましたけど大丈夫でした



このまま考えても仕方ないので、わたしはとりあえずダメ元で自らの相棒を呼んでみる事にしました

「おーい、ビブリオテーク」

「スピー……」

「ビブリオテーク、いるなら返事をしてくださーい」

「ムニャムニャ…」

「ビブリオテークがいないと……私…私……さびしく……泣いてしまいま……グスッ」

「……もう食べれないっス~…ムニャムニャ」

部屋に響くのは私の虚しい一人芝居とウェンディの寝言のみ
どうやら、こんなに迫真の演技をしても返事がない所を見ると本当にビブリオテークはいないらしいですね


という事は……

「つまり私たちはビブリオテークと別れた後、誘拐されたということですか」

無意識に私の口から結論がこぼれおちました












「あったり~」

その声が聞こえた瞬間私は寝ているウェンディを引き寄せ声がした方向をにらみつけます
そこには先ほどまで閉まっていた扉が開いており、暗がりで顔までは見えませんが【誰か】がいました

「あら、そこまで警戒しなくてもいいのに」
声からして女なのでしょう
拗ねたような声が聞こえます

「断ります。誰かも解からない相手を警戒するのは普通でしょう」

誰が自分を誘拐したと明言しているような人物を警戒しないでしょうか
いやしない

「あら残念」
すると全く残念そうに聞こえない声が聞こえ、コツコツと【誰か】が近づいてきます

って近づく!?
「止まってください!!あなたは私のレアスキルをしらないのですか!?」
私は慌てて【誰か】を止めました
今目の前にいる彼女は声からして女性でしょう
そして私は今フードも何もなにも被っておらず顔を隠せていません
今顔を見られたらアウトです

ですが
「大丈夫、私には全然効かないから」
【誰か】は一向に止まらず近づいてきます

全然効かない?
私のこの忌々しいレアスキルは女性であればどんなに魔力量が高かろうと少しは効きます
唯一効かないのは戦闘機人、使い魔、プログラム体のみ
なら、目の前の彼女はその中のどれか?

そんな事を考えていると【誰か】は、いや彼女は、私たちがいるベットの前、ちょうどスタンドの光が届く距離に立ち止まり



そして
「一日しか会ってないけど、私の事忘れちゃったのかしら?」
ピンクの髪をなびかせ笑顔で言いました







「……え?」

彼女の顔を見た瞬間、先ほどまで考えた事が消え去りました

そんな頭に浮かぶのは

チンクと約束をした前日

レアスキルに詳しいドクターに会いに行った日

出会いがしら私の護衛の局員を一瞬で吹き飛ばした後

助けに来た兄さんと撃戦をして、敗北し逮捕され現在地上本部で拘束中になった


「なんであなたがここにいるのですか?あなたはまだ拘束中のはずです」

ドクターの助手


確か書類で見た名前は








「キリエ・フローリアン」




私が名前を知っていたのが意外だったのだろう、彼女は少し驚いた表情をした後
とてもかわいらしい笑みで

「何事にも裏技というものがあるのよ、ユーリ・ナイト・メア」
私の嫌う苗字を口にし

「タカアキ・ナイト・メアがあなたに隠した物を取りにきたわ」
私の大っきらいな人物の名前まで口にした


どうやら私は、まだナイトメアとの縁を切る事が出来ないらしい
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Re: No title

> 更新お疲れ様です!

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