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ユーリ・N・ハラオウンの笑顔  第6話 -スクライア-

ウェンディやチンク達と食事を取った一カ月ほど後


私は長いウェーブがかった金髪をゴムでひとまとめにして仕事の邪魔にならないようにして無限書庫の床に座り込みました。そして側にいるビブリオテークに話しかけます。

「検索魔法展開、種類は『遺跡』『ロストロギア』キーワードは『宝石の種』『第33管理世界』そしてビブリオテークは補助をお願いします」

《了解しましたお嬢様》

ビブリオテークの頼もしい声が聞こえ私は目をつぶりました。
すると私とビブリオテークの足元に大きな三角形を中心とした魔法陣が現れ、光を放ち始めその周りを10冊の本が浮かびあがり高速に本の内容を読み込んでいきます。そして読み込み終わった本は本棚に戻りまた次の本が本棚から浮かび上がり内容を読み込んで行きます。


検索魔法、それは本の内容を無造作に高速で読み取り指定した種類、または指定したキーワードにヒットした情報を探し当てる魔法。

この魔法は余り使い手はおらず、今となっては使うのは遺跡や古代史探索など過去の歴史の調査を本業とするスクライア一族ぐらいだと言われています。

なぜこの魔法が余り復旧してないかというと、そもそも大量の本や書類を読むぐらいしかこの魔法は使いようがなく普通は5冊ぐらいを読み取るのが精いっぱいで使いすぎると頭が痛くなるというなかなか使いどころの難しい魔法だからだと思います。
現に私だって長年使い続けているのにビブリオテークの補助がなかったら7、8冊が限界ですし。

もし一人で10冊以上も同時に読み込む事が出来る人がいたらそれはもう、人という名のナニかでしょう



「うーん…うん?これかな?」

私は目を開けながら一端検索魔法をやめて、ヒットした本を手にとり開きます。
「えーと、ふむふむ……第33管理世界の遺跡全般についてですか…。まぁ良いでしょう。ビブリオテークこれも内容をまとめておいてください」
《了解しましたお嬢様》。
本をビブリオテークの目の前に持って行くと、本が私の手元から離れ中に浮かびペラペラと勝手にページがめくりだします。

相変わらずはたから見ると目に見えない何かが本を読んでいるようで少し怖いですね…
そうビブリオテークが内容をまとめているのを見ながら私は時間を確認しました。
15時、まだ約束の時間まで3時間あります。

(それにしても、まさかスクライアから正式な調査申請書が送られてくるとは思いませんでした…)

そうしみじみ思い数日前、兄から言われた言葉を思い出しました。


☆★☆★☆★☆★☆★


前日夜更かしをしてしまったため11時頃に起床して、寝ぐせでぼさぼさになった自らの髪を直して、お昼休みで私の所に顔を出しに来た兄に起きるのが遅すぎるとお叱りを受けた後、朝食という名のお昼ご飯を食べている時でした。



「へ?第33管理世界の遺跡及び文献の資料をまとめて欲しい?」

「ああ、スクライア一族が、とある文献を見つけた後に第33世界に何かあるとふんで調査をしているらしくてね。
そこの遺跡関連の資料とそのロストロギアの資料を探してくれって頼んできているということだ。これが申請書」

そういいながら私の対面の席に座ったクロノが私に申請書を渡してきました。
ほえー、と私は片手で受け取りながら朝ごはんのパンにかぶりつきます。

えーと要約したら、ロストロギア『宝石の種』と呼ばれる物があると思われる遺跡の書いた文献を発見したから、その遺跡に行くので遺失物管理班の人員または無限書庫の情報が欲しいってところですか
そしてちゃんと下にお偉いさんの無限書庫情報の引き出し許可のサインが書いています。


そこで私はパンを咀嚼して飲み込んだ後、ふと疑問に思い兄に聞きました

「スクライア一族が管理局に認められているとはいえ、管理局のお偉いさんはよく『世界の記憶を収めた場所』とも呼ばれるこの無限書庫の貸出を許可しましたね。」

そうです、たとえ整理されたり翻訳されたり解読されたりしていない本が多く『情報の墓場』とも言われている無限書庫ですが、結局は管理局の重要な情報元なのです。許可がなければどんな本も無限書庫から外に出せません。そんなにやすやすと渡せるはずが…

「お偉いさん…まぁほとんどの管理局員もだけど、無限書庫自体が完全に機能停止していると思っているし、無限書庫に期待もしてないし無限書庫をそこまで重要ではないと思っているだろうから、許可さえとっていればいいって感じだろうね。そんな感じだからこそユーリがここに住めているのだろうけど」

そう兄は答えました。
むぅ、たしかに私がここに来る前からこの無限書庫はほぼ機能停止しています。

私だけになった後でも、私は読む事が出来るのはミッド言とベルカ語そして古代ベルカ語のみなので、それ以外の言語で書かれた本はほとんど読めませんし、禁術レベルの事が書かれた本は代替が暗号で書かれているのでそれを解読する事もできません。
それにそこまで私は探索魔法を使うのは早くなく、人もすくないのですぐに頼まれた資料も集める事ができません。

だから私がやっている事は古代ベルカ語で書かれた本の翻訳と本の整理ぐらいです。
こんなのじゃあ、無限書庫に期待もしてなく重要ではないと思われても仕方ないかもしれないですね。

ですが、ちょっと無限書庫に対する印象にカチンときますね…。




ん?
「なら、そんな管理局からも期待されてない無限書庫になんでスクライア一族の方々は調査を申請してきたのでしょうか?」

そうです。なんでスクライア一族は管理局自体が使えなくて機能停止している無限書庫を頼ろうと思ったのでしょう?

そう兄に聞くと
「どうも、スクライア一族は前から無限書庫に興味をもっていたらしくてね。ちょうどいい機会だと連絡をとってきたらしい」
と兄は答えました

なるほど、確かに歴史や遺跡などの情報が積りに積もってわけが分からなくなっているこの無限書庫はスクライア一族の方々にとっては宝の山に見えるでしょう。これを機会にかかわりを持ちたいのでしょう。

「そんなに無限書庫に興味があるならここに司書として働いてくれたら嬉しいのですが…」
そう私の願いをつぶやいたのですが

「男性限定で魔力が高濃度で満ちているここで働ける人員なんてほとんどいないだろうし、いたとしてもスクライア一族は放浪と自由の一族だ。管理局に縛られた生活を彼らは望まないだろう」
そう兄に一刀両断されました。

くそう、ここでも私を苦しめますか我がレアスキルよ…
そして、なんで私が来てから魔力がこんなに満ちるのですか無限書庫よ…
もし神様がいるなら怨みますよ…

はぁ、と溜息をつき私は思い道理にならない現実にすこし気を落としながらも気分を変えるためにわたしはちょっとした冗談を言いました
「それに働いても、スクライア一族の方々は本や歴史が好きなので勝手に許可なく持ちだしちゃいそうですよね。ははははは」

そう私は笑いながら兄に良い、兄も笑みをうかべ
「そうだな。彼らなら勝手に持ち出してしまうかもしれないね」
と言い、少し感覚を開け兄は言いました。



「まさにユーリ、君のように…ね」

…………
………
……

「へ?」

私は茫然とつぶやくと兄は意地悪な笑みを、まさにエイミィが私をいじるときに浮かべるような笑み浮かべながら
「さてユーリ、いや、ユーリ・ハラオウン無限書庫臨時司書員。君は時々会っている子供たちに、元々ここにあった古代ベルカで書かれたおとぎ話の本を持ち出して読み聞かせていると聞いたのだがその持ち出許可はちゃんと取っているのかい?」
と聞いてきました。


「う゛…」
確かに本を無限書庫から私はナカジマ家の子達によくここで翻訳したおとぎ話を読み聞かせていますが、許可なんて取っていません。だって子供に読み聞かせるから無限書庫の本の貸し出し許可をだしてくれなんて言っても絶対出してくれないでしょうし…

それにしてもナカジマ家の子達ぐらいにしか話していませんし、誰にもばれないと思っていたのですが何故よりにもよって兄にばれたのでしょう?
まぁ母にばれていないだけましですが…

「な、なぜ兄さんはそれを知っているのですか…」
わたしは冷や汗をかきながら兄に聞きます

そんな兄はまだ意地悪な笑みをしながら答えを教えてくれました。
「『管理局員ママの会』というものがあってね。そこのクイント・ナカジマという女性が無限書庫の司書のおとぎ話が面白いといって絶賛していたよ」

その瞬間、可愛く舌を出しながら「ごめんね、ユーリちゃん」といいながらおちゃめに笑っているナカジマ家の母親が頭の中に浮かびました



クイントさんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!
あんなにこの事は秘密にしていてって言ってたのにぃぃぃぃぃ!!

やばいです、まずいです。このままでは司書長室改造に続きまた罰が私に下ります!

「って、なんでクロノお兄ちゃんがその『管理局ママの会』の情報をもっているのですか!!」

すると兄はとどめとなる、すてきな答えを私に教えてくれました。
「母さんが教えてくれたよ。それと、あとでお話しましょうって言ってたよ」

「うわ゛ぁぁぁあっぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああぁぁ!!」



ゆーりのめのまえが まっくらになった!!







☆★☆★☆★☆


あの後の母さんのお仕置きはひどかったなぁ…
まぁ、持ち出しは何とか許されたから助かったけど『許可さえ取っておけば禁書や危ない事が書かれていない限り、ちゃんと返すならなんでも持ち出していい』って余りに自由すぎますよ管理局…。
つい遠い目をして過去に思いをはせてしまいます…


《お嬢様、通信が入っています。おそらく今日連絡を入れると言っていたスクライアの代表だと思われます》

ですが、ビブリオテークからすぐに意識が現実に戻されました。いつの間にかビブリオテークが目の前にぷかぷかと浮かんでます。
時間を見るともう18時
少し前にメールで直接話したいと言われてあちらが指定した時間でした

「あら、もうそんな時間ですか。えーと、ちゃんと今の所集めてまとめた資料はどこにおきましたっけ…?」
《私の中に記録されております》

「私の格好変ではないですよね」
《大丈夫です》

「お相手は女性の方ではないですよね」
《すでに注意事項として、とある事情で女性と話せないと言っております》

「私みたいな子供で嫌がられないでしょうか…」
《お嬢様は世界で優一の無限書庫司書です。誇ってください》

「でも、あっちは今回の遺跡調査のリーダーをするような人ですよ!!おそらく遺跡調査の熟練な大人に違いないです!!そんな人に私のような小娘が…」
《調査を頼んできたのは向こうです。》

「えーと、えーと、ほかには…」。
《お嬢様は何故こうも初対面の方とお話になる時はこうもオドオドしてしまうのでしょうか…》

私がそうやって、次は何と言うかを悩んでいると、ビブリオテークが呆れた声で少しカチンとくる事を言いました。

「しょうがないじゃないですか!!昔から初対面で会った女性に卑猥な言葉と共に(性的に)襲われたのですよ!!」

私は叫びました。
心からの叫びでした。魂からの叫びでした。

しかしそんな私の魂の叫びを無視するようにビブリオテーくは強硬手段にでました。
《今回は女性ではありません!!男です!!ええい、待たせてしまっているのです!!これ以上待たせてはいけません!!通信つなぎますよ!!》

「え、あ、待ってください!!」
《断ります!》

するとビブリオテークのページが開きちょうどそこからスクリーンがでて通信がつながります。

相手が遠くの世界にいるせいかスクリーン画面が真っ暗でしたが、覚悟を決めて少し待っていると徐々に映像が見えました。

画面の向こうは誰もいません。どうもテントの中のようでうっすらとランプの光が見えます。

「えーと、つながったかな?」
すると、そんな声と共に画面の前に誰かがすわりました。

そこには、金髪で緑色の瞳をしており
「こんばんは、初めまして。ユーノ・スクライアです。今回は手伝っていただきありがとうございます。」
そうお礼をのべる、同い年だと思われる子がいました。


《まさか、子供だとは…》

ビブリオテークの驚きの声が無限書庫に静かに響きました。








これが、未来の無限書庫の立役者であり英雄、そして最高の上司であるユーノ司書長との出会いでした。
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テーマ : 自作小説(二次創作)
ジャンル : 小説・文学

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